企業やサービスからの個人情報漏洩のニュースが、このところ相次いでいます。「自分のところにも通知が来た」「自分も影響があるのだろうか」と不安になった方もいるかもしれません。この記事では、個人情報が漏洩したと知ったときに、個人として何をすべきか、日ごろからどんな対策をしておくべきかを、金融の知識がない方でも実行できるよう、10分程度で読める形にまとめました。
まず知っておきたいこと——漏れた情報で、危険度が違う
「個人情報が漏れた」といっても、何が漏れたかで、必要な対応は大きく変わります。個人情報保護委員会も、カード番号やネットバンキングの認証情報のように「財産的な被害のおそれがある情報」の漏洩を、特に重く扱っています。
- 氏名・住所・電話番号・メールアドレスだけ:すぐにお金の被害につながる可能性は比較的低いが、フィッシング(偽メール・偽SMS)や詐欺電話に悪用されやすい
- ID・パスワード:不正ログインの危険。同じパスワードを使い回していると、他のサービスにも被害が広がる
- クレジットカード情報:不正利用の危険が高い
- 銀行口座・証券口座の情報、ログイン情報:不正な出金・取引の危険が高い
- 運転免許証・パスポート・マイナンバーなどの本人確認書類:なりすまし(他人名義での契約・借入)の危険がある
まずは、企業の公式発表や、届いた通知で「自分が対象なのか」「何の情報が漏れたのか」を確認することが第一歩です。
漏洩を知ったら、まずやること(最初の24時間)
1. 公式発表・通知で内容を確認する
- 企業の公式サイトの「お知らせ」や、届いたメール・書面で、対象者か、漏れた項目は何かを確認する
- メールやSMSに書かれたリンクは押さず、ブックマークや公式アプリから自分でアクセスして確認する(漏洩を口実にした偽メールが増えるため)
2. パスワードを変更する
- 漏洩したサービスのパスワードをすぐに変更する
- 同じパスワードを使い回している他のサービスも、すべて変更する
- 可能なら二段階認証(認証アプリやSMSコード、パスキー)を設定する
3. お金に関わる情報が漏れた場合は、すぐ金融機関に連絡する
- クレジットカード:カード会社にすぐ連絡し、利用停止と再発行を相談する。利用明細に身に覚えのない請求がないか確認する
- 銀行・証券口座:パスワード変更、不審な取引がないかを確認し、必要なら金融機関に相談する
- ネットバンキングやスマホ決済:ログイン情報の変更と、利用履歴の確認を行う
4. 運転免許証・パスポート・マイナンバーが漏れた場合
- 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)で、自分の信用情報を開示し、身に覚えのない契約や借入がないか確認する
- マイナンバーそのものの悪用が心配な場合は、お住まいの市区町村の窓口に相談する
その後の数か月、気をつけること
- フィッシングメール・SMSに警戒する:「アカウントを確認してください」「支払いに失敗しました」など、急がせる内容は要注意。リンクではなく、公式アプリから確認する
- 詐欺電話に注意する:氏名や住所を知っているからといって、本物とは限らない。警察や銀行を名乗る電話でも、いったん切って、公式の番号にかけ直す
- 毎月、カード明細・口座の入出金を見る:不正利用は、早く気づくほど被害を抑えやすい
- 見覚えのない郵便物や督促状が届いたら放置しない:なりすましで契約された可能性がある
日ごろからできる対策(個人としてやるべきこと)
1. パスワードの使い回しをやめる
- サービスごとに別のパスワードにする。長めのもの(15文字以上が目安)にする
- 覚えきれない場合は、パスワード管理アプリを使う
2. 二段階認証・パスキーを使う
- メールアドレス、SNS、ネットバンキング、証券口座、ショッピングサイトなど、お金や個人情報につながるサービスから設定する
3. 預ける個人情報を最小限にする
- 会員登録のとき、必須でない項目(生年月日、勤務先など)は入力しない
- 使っていないサービスの会員は退会する。放置したアカウントは、漏洩の「見えない入口」になりやすい
- クレジットカード番号は、できるだけ多くのサイトに登録しない。決済は、ひとつのカードや決済サービスに絞ると管理しやすい
4. クレジットカードの利用通知を設定する
- カードの利用があるたびにメールやアプリで通知が届く設定にしておくと、不正利用に早く気づける
- ネットショッピング用のカードを、普段使いのカードと分けるのも有効
5. 公共のWi-Fiや、不審なアプリ・リンクに注意する
- フリーWi-Fiでの、ネットバンキングやショッピングは避ける
- アプリは公式ストアからだけ入れる。メールやSMSのリンクから、ログイン情報を入力しない
6. 端末とアプリを最新の状態に保つ
- スマホやパソコンのOS、アプリの更新を放置しない。セキュリティ対策の修正が含まれていることが多い
困ったときの相談先
- クレジットカードの不正利用:カード会社(カード裏面の連絡先)
- 銀行・証券口座の不審な取引:取引先の金融機関
- 詐欺・不審な連絡に関する警察への相談:警察相談専用電話 #9110
- 契約トラブルや悪質商法:消費者ホットライン 188(いやや!)
- 個人情報の取り扱いについて:個人情報保護委員会の情報提供窓口
まとめ
- 漏れた情報の種類で、危険度と取るべき対応が変わる。まずは公式発表で、自分が対象か、何が漏れたかを確認する
- まずやること:公式サイトから確認、パスワード変更(使い回し分も)、お金に関わる情報なら金融機関へ連絡
- その後は、フィッシングや詐欺電話への警戒と、毎月の明細確認を続ける
- 日ごろの備えは、「パスワードの使い回しをやめる」「二段階認証」「預ける情報を減らす」「利用通知の設定」の4つが基本
- 個人情報の漏洩は、誰にでも起こりうる。落ち着いて、できることから一つずつ実行することが、二次被害を防ぐいちばんの近道
本記事は、個人情報保護委員会などの公開情報や各種報道をもとに、筆者の見解を交えてまとめた一般的な情報提供です。実際の被害や個別の状況については、金融機関、カード会社、警察、消費生活センターなどの専門の窓口にご相談ください。
参考にしたサイト
漏えい等の対応とお役立ち資料|個人情報保護委員会
フィッシング対策協議会
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
国民生活センター
