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老後のためにいくら貯めたらいいでしょうか。それを考えると節約して、いつらくらい貯蓄や投資をしていけばいいでしょうか。
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やまぎし
老後という概念から整理していった方がいいかと思います。何歳から老後なのか、何歳まで働くのか、働かなくなってからが老後として、老後の費用はいくらくらい必要か。しかも、必要な費用は人それぞれ違います。そのため、一概には算出しづらい面もありますので、概念から説明していきます。
「老後費用を貯めていきたいのですが、何から始めればいいでしょうか」

老後費用にあたって漠然と貯めていきたいという方からのご質問です。あなたなら何をアドバイスされますか。
「答え」はご質問された方にしかわかりません。私からはご質問者:ふあんさんはいつから老後だと考え、その老後の費用はいくら必要かと思いますかという質問を返しました。
ダイエットしたいのに、現在の体重もわからず何キロを目標にしたいともわからないのにダイエットの成功は難しいのと同じ話かと思います。
何歳から老後と考えるか
極論ですが、死ぬまで現役で、一定以上の収入が死ぬまで見込めるのであれば宵越しの金は持たない生活でもOKです。
死ぬまで続けたい仕事、死ぬまで稼げる仕事がある方は非常に幸せかと思いますが、一般の方はそうはいきません。
そのため、60歳まで働きたい、70歳まで働きたい、いやいや55歳までで仕事に区切りをつけたいという考えをお聞きし、老後資金を考えていきます。
つまり、「老後とは人それぞれ」なのです。
老後の毎月の支出をいくらにするか
<参照:住友生命HP>
よく使われている老後費用(支出)の考え方です。毎月5.4万円足らないので、年間64.8万円。死ぬまで30年とすると1944万円必要。いわゆる2000万円問題です。
あくまで平均的な話で、毎月足りないとされる5万円も実は遊興費を5万円で試算してます。お金が足りなければ遊興費を削ればいいですし、平均値は平均値として参考程度にする話です。
老後費用・支出は個人ごとに違います。一般的な話は参考にするまでで、それを鵜呑みにするのはちょっと違います。
相談者:ふあんさんは仮定として40歳・独身・男性・会社員の方です。厚生年金もありますので、贅沢しなければ普通に65歳から暮らせます。
現在いくらで暮らしているか、その生活を65歳以降イメージして支出をどのくらいに見積もるかが大切です。
何歳まで働きたいか、働けるか

自営業の方でしたら何歳まで働くかはご自身が決められますが、会社員や公務員の方は定年制度があります。一般的には65歳ですが、職を選ばなければ70歳、80歳まで働けます。
何歳まで働きたいは人によって違います。ご自身の人生なので、多くの答えがあります。その答え:ゴールを設定しないと老後費用も決まりません。私がコンサルをする前に、「どうのような人生にしていきたいか」を必ず考えてきていただくのはこのためです。
ただし、考えは時期や状況によって変わっていきます。何年かに1度か人生のターニングポイントと思われるタイミングで目標は変わっていきます。目標が変われば手段やゴールも変わります。その都度変えていけばいいと思います。
今の目標を決めたら、次に何をするか
相談者:ふあんさんは60歳まで働き、65歳から年金を取得するという考えでした。
60歳から65歳までの支出、65歳から80歳までの支出、80歳以降の支出、イベントごとの大きな支出を一緒に算出しました。
目標の金額がわかれば、あとは運用利回りを3〜5%に設定して、毎月いくらづつ投資をしていかなければならないか算出するだけです。
算出手法はExcelでも金融機関が提供しているシミュレーションでもなんでも構いません。
相談者:ふあんさんは保険の見直しもすることにより、収入の20%を無理なく投資に回すことができましたので、目標とする資産形成がシミュレーション上では達成できました。
シミュレーションと目標は定期点検を
老後資産形成と言いましても現在生きている支出の方が大事です。病気や事故等予期せね事象や家族の状況でも資産形成を変えていかなければなりません。
そのほかにも目標や考えが変わったら、当然シミュレーションを変えなくてはなりません。資産形成のシミュレーションはあくまで目安です。必ずそうしなければならないではなく、何かのタイミングで変えていくものです。
毎回変えるのもどうかと思うのですが、変えないのも寂しく思います。人生の目標や生き方は常に考え、本当に進むべき道を見つけていくことが楽しいのではないかと思います。目標や生き方は必ず変わることを前提にシミュレーションを作成していきます。
状況が変わっても大きな怪我を負わない資産形成をシミュレーションをし、実行していくことが重要になってきます。

表題の回答ですが、「老後のための資産形成、何から始めたらいいですか」はどんな生き方、働き方をしていきたいですか?今考えていることをまずは正解としてシミュレーションしていきましょう。ただし、考えは必ず変わっていきますので、変わった時でも大怪我しないよう注意して計画を立てていきましょう。これが私の回答になります。
手段であるNISAやiDeCo、オルカンやS&P、支出管理等の言葉は状況で使い分ければいい話になります。
あなたはどう生きていきたいですか、何を幸せと感じますか、私がファイナンスのコンサルタントをする際、必ずご質問することです。