「高配当株」何を見て選ぶ?

お客様

高配当株に興味があります。ただ、どういった銘柄を購入した方がいいのかわかりません。
何を見て高配当株式を購入し、その後どうしたらいいのでしょうか。

 FP
やまぎし

不労所得という言葉や、NISAの普及で高配当株のご質問を多くいただいています。
半年や1年に一度の配当金は嬉しいですし、なんといっても家計の強い味方になります。高配当株はワナ銘柄と呼ばれる目先の配当金を餌にするものもありますので、購入する際には注意も必要です。
高配当株を購入するときの注意点をお話し致します。

「どれだけ配当しているか」と「稼いでいるか」と「会社は安定しているか」をチェック

高配当株ですから、配当金を多く出している企業を選びます。その指標は配当利回りで選定することができます。

配当利回りの目安は3%です。Yahoo!ファイナンス等のHPで簡単に検索できますので、配当利回り3%以上で検索してみてください。相応の数が検索できるかと思います。

次に大事なものは、どのくらい稼いでいるかです。この指標はいろいろあるのですが、簡単な指標は営業利益率やROEです。これも先ほどのHPで検索できますが、指標として営業利益率:10%以上、ROE8%以上を基準とみてください。

会社の安定性は自己資本率で確認することができます。一般的には30%以上ですが永続的な安定性を求めた方がいいので、50%以上の企業をお勧めしています。

では、上記の配当利回り:3%以上・ROE:8%以上、自己資本率:50%以上で東証プライム市場で検索しますと2024年9月8日時点で139社になります。この中から選ぶとなりますと、大変になってきますので、さらに条件をよくしていき、自信が購入される社数との兼ね合いで絞っていくのが良いかと思います。

配当利回り:4%以上・ROE:9%以上・自己資本率:60%以上で検索しますと2024年9月8日時点で20社まで絞れることができます。
20社となるとだいぶ絞れてきましたので、この中からご自身がHP等を見たりして気に入った企業の株を購入してみることがいいのではと思います。

高配当株は長く持ち続けることが大事

長く持ち続けることを前提に高配当株を購入してください。
そのため、購入する企業の配当実績も注意して、過去に減配をしていないかもチェック、株主への配当方針も確認されるとより安心です。

高配当株式はあくまで配当金を安定的に得ることが目的です。株価が上がって売却しその売却益を得ることが目的ではありません。
基本スタンスは購入してずっと持ち続ける:BUY AND HOLDです。

ポートフォリオと30銘柄以上保有

現在高配当で優良銘柄としても、将来を保証するものではありません。株式は分散とポートフォリオが大事ですので、業種を分けて少なくとも30銘柄以上保有することが大事です。今は1株から購入できる証券会社も多いので、ご自身が用意できる資金を見つつ、数株づつからでも多くの銘柄を揃えていきましょう。

ワナ銘柄に注意

高配当株で注意が必要なことは、目先の配当利回りに惑わされないことです。配当利回りが今は良くても翌年減配や無配では意味がありません。配当利回りに目がいってしまいますが、企業の稼ぐ力や安定性も考慮して、銘柄選定をすることを忘れないでください。

まとめ

高配当株式は人気がありますので、各種経済・マネー雑誌等でもランキングや銘柄が取り沙汰されます。このランキングや紹介されている銘柄を購入することも悪くはありません。しかし、最後はご自身で判断してください。

株式購入は自己責任ですし、ご自身が選んで購入するものです。雑誌や書籍を参考にすることは大切ですが、何も考えずに紹介された銘柄購入は危険ですし、後悔もします。

何を購入したらいいかわからない方も多いかと思いますし、選ぶ時間もないという方もいらっしゃるかと思います。そういう方は高配当株ではなく、オールカントリーやS&P500等のインデックス投資信託を購入すべきです。

高配当株式は株式や企業業績について、調査や勉強が必要です。高配当株式をおすすめはしていますが、全ての方におすすめするものではなく、企業の調査や勉強を好きな方や時間と労力を費やせる方におすすめです。この認識が一番重要で注意が必要なことであると思います。

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者