
配偶者がパートタイム勤務する時に年収の制限(いわゆる年収の壁)を気にするけど、いくらが上限で、何を意識して働く時間を制限していけばいいのかな?
配偶者のパートタイム勤務で103万円の壁、130万円の壁等の言葉があります。同じように上限金額を気にして働く、時間を調整して働く話も耳にします。なんとなくの理解でそうしている人も多いのではないでしょうか。
金額だけでなく、勤務先の状況や収入の条件で状況も変わってきます。しかも大事なのが、働き損ではなく、本当は働いた方が得であることも。ややこしい話ですが、ざっくりでもいいのでご自身の状況を理解することが大事です。

【結論】勘違いも多くあります。金額だけで就労時間を抑える等を判断せず、勤務先状況や就労契約を確認することが大事です。
今の手取り金額だけの判断だけでは片手間になります。将来の厚生年金取得も含めた判断を。

一概に「年収の壁」と呼ばれるものが4つあります。
103万円・106万円・130万円・150万円です。
手取り額の減少のみにフォーカスするのではなく、状況ごとに判断が異なってくるかと思います。将来のメリットもきちんと理解して、壁を乗り越えていきましょう。

(日経新聞 2023年7月10日)
103万円の壁
① 所得税の壁 ➡️ 超えると配偶者の収入に所得税が発生
② 配偶者ならそれほど大きな影響はなく、目安1万円給料UPしても所得税は500円程度
③ 親御さんの収入の所得控除がなくなる ➡️ 特に19から22歳は控除額多く、親の税額が10万円前後高くなる可能性
106万円の壁
① 社会保険の壁 ➡️ 厚生年金・健康保険(今働いている会社)に入り、社会保険料の負担がある(学生以外)
② 中堅・大手企業の場合、厚生年金・健康保険金負担 : 15万円程度発生 ➡️ 手取り減少懸念
③ 従業員101人以上の会社(今働いている会社)
・週20時間以上の労働時間
・月額賃金:88,000円(年収換算:106万円)
➡️ 契約時の所定内賃金で決定 ➡️ 残業代や賞与、配偶者・通勤手当は含まない
➡️ 年収106万円を超えないように年末に残業を減らしても関係ない場合もあり
④ 厚生年金を受給できるメリット
将来の年金総受給でおおよそ80歳前半で手取り収入減少を取り戻す
⑤ 傷病手当金・出産手当金給付権利取得
⑥ ただし、106万円以上手取りを増やしたいパート主婦やフリーターは、1社ではなく掛け持ちにする
ことで勤務先の社会保険への加入を回避することができます。
⑦ 仮にご主人の健康保険が付加給付金・人間ドッグ等の種目が多く、負担金が少ない場合、健康保険をご主人のままにする方が総合的に
メリットがある場合があります。
130万円の壁
130万円の壁とは、配偶者や親などの社会保険の扶養に入っている人は、主婦(夫)、学生、フリーターなど立場によらず関係する年収のボーダーラインです。
① 社会保険の壁 ➡️ 厚生年金・健康保険(今働いている会社)に入り、負担がある
② 従業員100以下の会社(奥様が今働いている会社)
週30時間以上の労働時間
③ 国民年金・国民健康保険に加入し保険料負担(目安:年20万円)
④ 厚生年金には週30時間以上の労働時間必要で、それ以下の場合、
厚生年金に入れず、将来の厚生年金受給が見込めない ➡️ 働き損の可能性あり
⑤ 2024年10月〜 厚生年金対象企業が従業員101人⇨51人以上に拡大
⑥ 掛け持ち含めた合計年収で判断
150万円の壁
150万の壁は、夫(妻)の税制上の扶養に入っている人に関係します。
① 所得税の壁
② 配偶者特別控除(夫・妻側)が減少し始める
③ 150万円までに、106万円の壁・130万円の壁」が存在し、それぞれを超えると一気に社会保険料
の負担が15~20万円前後増え、配偶者特別控除の段階的な減額よりも大きく影響します。
まとめ
年収の壁はややこしい判断が必要になってくるかと思います。配偶者の年収の壁は以前は意識して、なんとかその壁の収入を超えない働き方をしていた風潮がありました。しかし、物価高に伴って時給が上昇していく世の中で、壁の収入未満で抑えること自体が難しくなってきているのではないでしょうか。
以上を踏まえますと個々人の状況にもよりますが、収入の壁はあまり意識せずに収入を増やしていくことを考えていく方が、建設的な考え方になっていくかと思われます。働き方を考えていく中で、人生観・価値観をご家族で考え、話し合ってみることも必要かもしれまんせん。