【年末・年始】 実家に帰省した際【相続】の話をしてみてはいかがでしょうか       

ふあんさん
ふあんさん

コロナが落ち着いて、久々に帰省します。知り合いの方の親御さんが亡くなった際、相続で少し揉めて大変だったと聞きました。親もそれなりの年になったので、少し相続の話もしていった方がいいのかなと思うのですが、いったいどんな話をすればいいのか、どう切り出せばいいのか。

親もまだ元気だし、相続するような多額の財産もないし、相続対策なんて無関係と思っていらっしゃる方が多いですよね。

しかし、家庭裁判所に持ち込まれる相続トラブルの3割が「遺産額1000万円以下」という統計結果があリます。お金の話だけではなく、お葬式やお墓をどうするかもその時がきてから話すより、事前に話をしていた方が見送られる側の立場の人も安心できますよね。

久しぶりに実家に帰省した時、いきなり相続の話を始めても「何があった?」と驚かれるだけですよね。
どう切り出せばいいのか、何を話しておいた方がいいのかまとめてみたいと思います。

【相続】の話はどう切り出す?

いきなり「相続のことなんだけど」と話せば「どうした?」と驚かれるか、怒り出すかもしれないです。そこで、友達の〇〇が、とか、会社の先輩がとか 少し身近な第三者で大変だったという話から始めるのがオーソドックスです

他の宗教の話から始めるのもいいかもしれません。例えば、イスラム教の方は土葬が基本なんだけど、土葬できる場所が日本では非常に限られていて、大変そうなんだよね。うちは代々の墓があるから安心だけど、よく考えたら、もしもの時にどこに連絡をして、どう進めていくか分からないと話し始め、葬儀方法や連絡先を親御さんに聞きながら話を進めていくのもいいかもしれないです。

うちは仏教の宗派なんだっけ?と聞いていくのもいいかもしれないですね。私も若い頃は宗派等全くわかっていませんでしたので、ご自身の家のことについて知っておくいい機会になるかと思います。

【相続】の話は何を確認する?

<今後の暮らし方・葬儀の手法>

  • これから何をやりたいか・晩年どういう暮らしがしたいか
  • かかりつけの病院
  • 仲のいい友人
  • 葬儀はどういうものが希望か
  • どこのお墓がいいか(新しく用意が必要か)
  • 葬儀の際、連絡すべき親類・友人

<資産関係>

  • 給与額(働いている場合:会社・アルバイト)
  • 年金額(父・母それぞれの国民年金・厚生年金・遺族年金)
  • 現預金(銀行・現金):できたら各銀行ごと
  • 株式(銘柄・株数)
  • 不動産(自宅・自宅外の不動産・収益アパート)
  • 配当金・収益不動産からの収入・その他収入
  • 保険(生命保険・医療保険):もしもの時、連絡先も

【相続】確認したら次は何を話す?

親御さんと今後の暮らし方、どうしていきたいかを話をしたら、なるべく希望に沿った暮らしや余暇を過ごさせてあげたいと思いますよね。

大きなことをいきなり叶えるとなると大変ですが、簡単なことから少しづつ叶えていってください。肩肘張らずに自然体に、なるべく一緒にいる時間をとることが大事かと思います。私もとりあえず実家に帰る回数を少し増やしてみる、1ヶ月に1回は電話してみることから始めました。

どういうお葬式がいいか、どういうお墓がいいかも笑いながら話せるといいですね。

【相続】お金の話は?

資産をどう残していくという話が最終的な相続の話になるかと思います。

例えば、お父様が亡くなって、お母様が全て相続される場合、1億6千万円までは相続税はかかりません。その場合、多くの方は相続税対策は必要はないかと思います。(1億6千万円詳細は別途)

お父様やお母様が相続に対してこうしたいという希望がある場合は、きちんと話をしておくべきだと思います。入院したり、痴呆になったりした場合、なかなかこのような話はできなくなってしまいます。元気なうちに、まだまだこういった話は早いかなと思ううちにぜひ話を切り出してください。

遺言を残すという方法もありますが、家族であればきちんと意思を聞き、亡くなったあとでなく生きているうちに確認することが、残されたものとして後悔が少ないのではと思います。

子供に対して、資産を均等に残したいのか、家をつぐ・墓守をする子供に多くを残したいのかをお父様・お母様と直接話をすることで、相続問題の大半がクリアになるかと思います。

ちょっと数字の話をします。
相続には基礎控除:3000万円、プラス相続人1人あたり600万円の控除があります。

具体的な計算をしますと
相続人が子供2人だけの場合、
基礎控除:3000万円 +1人あたり600万円 ✖️ 2人:1200万円 計 4200万円の控除。

仮に6000万円の相続があったとします。 
6000万円 − 上記控除額:4200万円 = 相続税課税額:1800万円
1800万円 ÷ 相続人2人 = 900万円 相続税課税額1000万円以下なので、10%の相続税率
900万円 × 10%=1人あたり90万円 
1人あたり3000万円の相続金があっても、相続税は1人あたり90万円です。
つまり、そこまで相続税対策を考えることではないかと思います。(相続税計算の詳細は別途)

普通の家庭でしたら、変に相続税対策を意識するより、親御さんがこれからどう暮らしていきたいかを聞き、なるべく希望に沿った形になるようサポートする方がいいと思われます。

年末・年始 せっかく家族みんなで集まる機会があるのなら、これからの生き方・暮らし方に対する前向きで楽しい相続のことを話し合ってはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者