リスキリングの支援がこの10月からさらに拡充されると聞きました。どのくらい拡充されたのでしょうか。
やまぎし
リスキリングは国も後押ししていますので、今後も拡充していくと思います。ここでは、10月からの拡充内容と注意点をお話ししたいと思います。
リスキリング:教育訓練給付制度概要
リスキリングへの支援の核となります教育訓練給付制度とはどのようなものか、概略を説明します。
<厚生労働省HP>
教育訓練給付制度は指定の講座で学ぶと受講費の一部を補助するものです。制度は3つありますが、この補助率や補助額が拡充されました。
もっとも給付が手厚いものが「専門実践教育訓練」
・原則 1〜4年の期間の講座
・支給は段階的:受講を続けると半年ごとに受講費の50%支給
・支給額:年間40万円が上限
・受講を終えて*条件を満たすと給付率がUP 上限:80%・64万円
*<条件:資格取得・雇用状態・賃金が受講前より5%UP ⇨ 受講終了日から1年以内に満たす必要>
次に手厚いものが「特定一般教育訓練」
・受講終了で50%最大25万円補助
・資格を取得し、職に就いていること
・800種類の講座
最後が「一般教育訓練」
・受講者は一番多い
・給付は従来同様:20%最大10万円
・1万2000種類の講座
・TOEIC・簿記・社会保険労務士・宅建等馴染みがある資格に対応
教育訓練給付制度概略
*は2024年10月以降に受講開始の場合<日本経済新聞より抜粋>
制度利用の流れ
受講できるのは原則、雇用保険に加入して在職中か、離職後1年以内。初めて利用するなら一般と特定一般は雇用保険の加入期間が1年以上、専門実践は2年以上が費用になります。2回目以降は加入期間が前回の支給から今回の受講開始まで3年以上経過している必要があります。
特定一般と専門実践は「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、キャリアの目標にていて助言を受ける必要があります。その後、職業歴などを記した「ジョブ・カード」を作ってハロー・ワークに提出も必要になります。
給付金の申請は、専門実践で受講中にもらう分は半年ごとに申請します。そのほかは3訓練とも講座終了翌日から1ヶ月以内に申請します。
教育訓練給付講座
<厚生労働省HP>
注意点
キャリアアップのリスキリングを考える場合、まずは勤務先での人事制度で資格手当・昇格要件・推奨資格(奨励金)を確認してください。転職を考えている場合もそうですが、企業が求めている資格を把握しその資格を取得するほうがより収入のアップにつながります。
勤務先から補助がある場合は、上記の教育訓練補助から差し引く必要があります。
講座を選ぶ場合、何をやりたいか、その取得が収入アップにつながるものか、自身のキャリアに関連するものなのか等事前の調査をしっかりする必要があります。当然ですが、途中で挫折した場合は補助は出ません。挫折しては大事なお金の自分の時間を失ってしまいます。しっかりとした調査・計画をしてから受講を初めてください。
まとめ
リスキリングやスキルアップに対する講座への受講補助が拡充されました。自身でやりたいもの、やっていきたいものへの挑戦はぜひ積極的に取り組み、国の補助はできるだけ受けるべきだと思います。
しかし、資格も講座もこれだけ多くありますと何が自分にとって最適かと悩んでしまう部分もあるかと思います。闇雲に取り組んで、途中で辞めてしまっては補助は受けられません。選択ミス等を防ぐため、国もキャリアコンサル受講等を条件に据える等対策はしていますが、本人がしっかりしたビジョン・やる気がなければ意味がありません。
時代の流れはリスキリングや能力向上により能力を高め年収アップに繋げていくことです。ぜひこの流れに乗り、自身の能力を高め収入アップに繋げ豊かな生活を獲得していっていただきたいと思います。
最後は自分がどうしたいかのビジョン・ライフプランをしっかり立てることが重要になります。