「40代」お金について何からすればいい

お客様

ある程度仕事や家庭の基盤ができてきました。40代は仕事や子育て、親との関係等何かと忙しく、しかも深く考えることが必要になります。お金のことについては何を考え、実行していくことが必要でしょうか。

 FP
やまぎし

40代は仕事でも家庭でも責任や判断することが増えてきます。お金のことは後回しにしたいくらいですが、非常に大事な時期で、今まで生活してきたもの(生き方)、支出に関するもの、仕事のキャリアに関しても見直しをするべき年代です。
何を見直していくべきなのかをお話していきたいと思います。

支出を見直す

40代になると収入が増えていくことは嬉しいのですが、付き合いやしがらみも増えてきます。なんとなく毎月の収入で支出もやりくりできるので、支出管理が甘くなりがちです。ここで家計管理・支出管理ををしていきましょう。

①家計管理(支出管理)
②保険の見直し
③住宅ローンの見直し
④教育費の見直し

①家計管理
今一度、何にいくら使われているかを把握してみましょう。スマホアプリのマネーフォワードME等を使用し、支払いをクレジットカードや電子マネーにして、マネーフォワードMEと連携させることで、何にいくら使っているのかが簡単に把握できます。

収入が増えたからこのくらいいいかという気持ちで無駄な支出がないかを把握し、支出を管理することで無駄な支出を抑えることができます。
例え、1000万円年収があっても、支出1000万円であっては生活はいつまで経っても楽にはなりませんし、老後や将来の費用はいつまで経っても増えることはありません。

また、住宅ローン以外で借金がある方(カーローン・フリーローン・リボ払い等々)は最低生活防衛資金を残して全額返済を考えてください。
金利の高い借金があっては、いつまで経ってもお金が貯まりませんし、生活が苦しいままです。

②保険の見直し
付き合いやしがらみで無駄な保険に加入していませんか?加入すべき保険は起こる確率は低いが、起きた場合の損失が大きいものへの対応させるものだけでOKです。
上記を考慮した必要な保険は、A:火災保険 B:掛け捨ての収入保障保険・掛け捨ての生命保険 C:自動車保険(除く車両保険)の3つです。
月平均で5000円以上の保険料を支払っている場合は掛けすぎに注意です。

③住宅ローンの見直し
変動金利が0.6%以上、固定金利が1.8%以上の方は住宅ローンの借り換えを検討をしてみてください。
まずは、ネットで検索し、そこから金利の安い銀行2〜3行でシミュレーションを行い、メリットの有無を確認してみてください。手数料等もかかってきますので、金利だけではメリットを図りきれないことも考慮してください。

メリットがあれば、仮審査・本審査を通し、現状借りている銀行に金利減額の交渉をします。現状の銀行で対応できないのであれば、借り換えを実行してみてください。住宅ローンの借り換えは、借り換え時期が早いほどメリットは大きくなります。ネットで調査し、メリットが見込めたら即実行することをお勧めします。

④教育費の見直し
我が子は可愛いものです。つい教育費が聖域化し、家計への負担が大きくなりがちです。我が子の特性や興味をもう一度冷静になって見ることも大事です。過度に習い事をしていないか、親の期待を押し付けていないか、これを習うことでのベネフィットは何か(将来収入面でのメリットはあるか)を考え、そこまで大事でなければ辞めることも大事です。子供は案外今の習い事や塾を辞めることで、もっと好きなことが見つかるかもしれません。

教育費であっても無限にかければいいわけではありません。お金は有限な財産ですので、何に投資すれば将来大きなリターンが得られるか、投資家的発想も時には大事になります。

教育資金・老後資金の準備を始める・見直す

まだお子さんが小さい方もいらっしゃるかと思います。その場合、教育費の貯め時になります。国や地方自治体の子ども支援も充実してきてますので、以前より教育費の負担は減ってきています。しかし、お子さんが将来・医学部に通いたい・留学したい・大学院に行きたい・芸術系の大学に行きたい等々 お金のかかる進路を選択するかもしれません。そのような時でも対応できるよう、お子さんが小さい時から準備しておくことが大切です。

教育資金と老後資金はトレードオフの関係です。教育費を用意しておいて、もしあまり利用しなかったら、老後資金に回せばいいのです。老後と言わなくても、余剰資金として旅行や趣味への資金にもなります。教育資金はかかると思って、貯めておくことはご自身の老後資金にもなるかもしれないので、しっかり貯めたり、投資をしておきましょう。

将来の老後資金の見直しは、今ある資産・投資状況を確認することが大事です。手数料の高い投資信託に加入していないか、毎月の積立額は妥当か、現状の配当や値上がり(値下がり)状況を確認して、シミュレーションをしなおしてみることが大事です。

もし、老後資金に不安を残す状況でしたら、家計見直しを厳しく行い予算を捻り出し投資・貯蓄額を増やしていくことが必要になります。
40代であれば、老後資金には十分に時間があります。投資はは時間を味方にすれば、大きく増えていきます。まだ間に合いますので、見直しは早めに行っていきましょう。

キャリアと生き方を見直す

40代は仕事や会社内での自信の立場や今後の出世・収入状況がわかってしまう年代です。誤解を恐れずに言えば、どこまで出世できるか、収入はいくらになるか、どこまで自分の裁量で仕事ができるかがわかってきます。今の仕事に全力で集中することで、さらに大きな収益が見込めるのであれば、今の仕事に集中すべきです。しかし、そうではないなと気づいたら、自分のキャリアを見直していく年代です。

転職エージェントに登録し、自身の市場価値を再認識することでもいいですし、収入UPが見込め自身のやりたいことであれば転職することもいいと思います。

逆に自身の市場価値がイマイチの場合、今の会社に残りつつ副業で収入を増やしていくことも選択肢に入れるべきです。
国の指針でも副業を推奨している時代です。給料が増えないなら、他で稼いでいけばいい、年金が少なくなるなら定年になっても稼ぐ力(働く場所・手法)をつければいいという気概が必要になるかと思います。

40代は今までの生活スタイル・価値観・生き方を見直すいい時期です。仕事も生活も家庭も現状を客観視し、なりたい自分、したいことを再度認識し直すことで、生き方をリバイスもできます。40代であればまだまだチャレンジが可能です。

会社員ですと、おおよその自分のキャリア・出世が見えてくる年代です。このまま会社仕事に集中していくか、生活・趣味等に目を向けていくか、転職や副業、独立を考えていくか、考えに考えて今のままの生活スタイルに落ち着くのもありです。大切なのは、定年を過ぎた時に自分に納得なり、諦めができるかだと思います。そのためにも、この年代で棚卸し・見直しをすることは非常に重要になります。

もう一つ、健康・体の見直しも忘れなく行ってください。飲酒・タバコはもちろん、メタボ・運動不足はどうか、人間ドッグの結果と対峙して改善の余地があるのなら、少しづつでも改善していくべきです。「体は一生乗り換えることのできない車と同じ」と投資の神様であるバフェット氏はコメントをしていました。まさしくその通りです。メンテナンスフリーの機械は存在しません。こまめなメンテナンスが機械を長く、普通に、見た目も美しく使用していくことには不可欠なことだと思います。

まとめ

40代を見直しの時期であると書きました。見直しをしたら、何か実行しないといけないと思う方も多いかと思います。しかし、見直しをして、A→Bに変えるのも良し、A→Aのままでも良しです。変えることの判断、変えないことの判断を40代でしたかということが非常に大事になります。それは、老後と呼ばれる世代になったときに、後悔をなるべく少なくするためのある意味「儀式」になるからです。

支出の見直し・保険の見直し・ローンの見直しは支出を減らし、老後資金や別の投資・浪費に費やすことができ、結果が現れやすいです。仕事・生き方・キャリアの見直しは結果は見えづらく、判断した結果が以前より悪くなる可能性もあります。しかし、何かしらの「判断をした」という結果は意識や脳に刷り込めれ、心に刻み込まれます。刻み込まれた感情・感覚があれば、人生を振り返る年代になった時に、「後悔」という感情を減らせることができるかと思います。

人生は一度切りです。なるべく後悔の気持ちを減らす生き方を選ぶために、年代ごとに見直しや判断をしていくことが大切ではないかと思います。40代は大きなターニングポイントになる年代です。ぜひ、お金の見直しをしつつ、人生の振り返りや今後の展望を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者