会社四季報 2024年夏号の感想

投資をする際に必須のアイテム、会社四季報の夏号の感想になります。
3月期決算企業の状況が夏号ですので、日本の会社の6割超を占める3月期決算企業の概況が一目でわかります。
簡単ではありますが、概況と私の考えを記載します。

総じて好業績・復調の企業が多くなった

業績トレンドで注目される見出しランキングでもっとも多かったのが、「続伸」次に「連続増配」、その次も「上向く」と景気の良さそうな見出しが続きます。

業種別に見ても製造業では前期比36.7%増と大幅増益の見通しの化学が堅調です。今期は半導体銘柄の電子材料が回復見込み。ここでも半導体の力が大きいようです。

サービス業・小売業も増益率が高く、インバウンドの影響が高くなってきています。DX支援やECなどの業種でも成長が続く見込みです。

減益幅が大きい業界も

燃料安・市況高一服から電気・ガス・鉄鋼・石油・石炭製品・鉱業などの一部で減益が広がっています。

増配企業の多さに注目

夏号で増配に触れられた企業は1100社以上です。自己株式取得を含めた総還元性向やDOE(株主資本配当率)を明示する企業も増加しています。新NISAの人気や東証改革によるPBRを1倍以上にする意識が強くなったことが背景にあるかと思われます。私たち一般株主にとっては嬉しい流れになっています。

気になる点

見出しランキングで2024年春号ではマイナスの言葉である「反落」が12位だったものが、2024年夏号では5位に大幅にUPしています。見出しの数も前回:74から今回:154に倍以上になっています。

業績のいい会社と悪くなりつつある会社が両極端になっていることと、景気悪化の兆しがあるのではと感じます。円安・物価高でボディーブローのように徐々に収益を蝕まれている会社が増えているのではとも思えます。

今後も増益・増配は続く企業と悪化の傾向がある企業。この辺りを見極める戦略・眼力が必要になってくるかと思います。

みなさんはどんな戦略・見極めで企業を選定し、株式の売買をされていらっしゃるでしょうか。未来の業績を見る水晶玉はありません。リスクとリターンを鑑みながら、ご自身のリスク許容度にあったポートフォリオを組んでいくのが一般の方々にはおすすめです。

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者