新年度が始まるこの時期、家計の棚卸しをするご家庭が増えます。その中でも毎年相談が多いのが「保険の見直し」です。
日本の世帯平均保険料は月約3万円(年間36万円)。ところが、実際に必要な保険料は多くのご家庭でこの半分以下で足りるケースがほとんどです。
この記事では、30〜50代の働く現役世代・家族を持つ方向けに、FPやまぎしが考える「本当に必要な保険だけに絞る」見直しポイントをまとめました。
✅ 保険の目的は「万が一、扶養家族が困らないための保障」のみ
✅ 貯蓄・資産形成は保険ではなくNISA(インデックス投資)で行う
✅ 医療費は高額療養費制度+貯蓄で対応できる
✅ 学資保険よりNISAつみたてが合理的
❌ 養老保険・外貨建て保険・貯蓄型保険は原則不要
📋 まず全体像:必要な保険 vs 不要な保険
「保険は必要」という前提で見直すと本質を見失います。まず種類ごとに「必要か不要か」を整理することが大切です。
必要な保険は基本的に「自分が死んだとき・働けなくなったとき、家族が経済的に困るリスク」に絞られます。それ以外の多くは、日本の社会保障制度と貯蓄・投資で代替できます。
❌ なぜ貯蓄型・養老・外貨建て保険は不要なのか
「保険で貯蓄も」「死亡保障もついて一石二鳥」という営業トークは魅力的に聞こえます。しかし、数字で見ると実態は大きく異なります。
・実質利回り0.3〜1%(インフレ率にすら勝てない水準)
・早期解約すると元本割れ(10年以内の解約は特に損)
・手数料が見えにくく、実際のコストが不透明
・外貨建ては為替リスク+高い手数料の二重コスト
・「貯蓄と保障が一体」は、どちらも中途半端になりやすい
同じ月額を「掛け捨て保険(保障)+NISA(資産形成)」に分けるほうが、圧倒的に合理的です。
❌ なぜ医療保険・がん保険は不要なのか
「入院したら何百万もかかる」は日本では基本的に起こりません。その理由が高額療養費制度です。
年収400万円台の方なら、100万円の手術を受けても月の自己負担は約8〜9万円が上限。大企業・公務員の方は「付加給付」でさらに月2〜3万円まで抑えられるケースもあります。
医療保険の月額が5,000円とすれば、10年間で60万円を支払っていることになります。一方で実際に入院して高額療養費制度が適用されれば、多くの場合は手元の貯蓄で対応できる水準です。
緊急予備資金(生活費3〜6ヵ月分)をあおぞら銀行BANK支店(年0.75%)や楽天銀行(年0.64%)などの高金利普通預金に置いておくだけで、大半の医療費リスクはカバーできます。
❌ なぜ学資保険は不要なのか
「教育費のために学資保険」という選択が以前は一般的でした。しかし今は、NISAのつみたて投資枠という、はるかに有利な手段があります。
| 学資保険 | NISA(インデックス) | |
|---|---|---|
| 利回り | 約0.3〜1% | 期待値 年率3〜7% |
| 流動性 | 低い(途中解約は損) | 高い(いつでも引き出し可) |
| 用途の自由度 | 教育費のみ | 何にでも使える |
| 万一の場合 | 死亡保険金 | 保有資産として残る |
| 10年後の試算 | 元本+数万円 | 元本+数十万〜100万円以上 |
「学資保険の安心感」はわかります。ただし利回りと流動性の両方でNISAが優位です。万一のケースも、別途定期保険で死亡保障を確保すればカバーできます。
✅ では何の保険が必要なのか
扶養家族がいる人に必要な保険:死亡保険
「自分が死んだとき、残された家族が経済的に困らないか」——これが保険の核心です。必要保障額をまず計算しましょう。
必要保障額は多くの場合1,000〜3,000万円程度。これをカバーする方法として、定期保険(掛け捨て)か収入保障保険が最もコスパ良く合理的です。
・毎月一定額が遺族に給付される(年金タイプ)
・子どもの成長で保障額が自動的に減少=払いすぎがない
・定期保険より保険料が安いケースが多い
・30代男性なら月1,500〜3,000円程度から加入可
自営業・フリーランスには就業不能保険も検討を
会社員には傷病手当金(病気・ケガで働けない期間、月給の約2/3を最長1年半支給)があります。そのため、会社員の就業不能保険の優先度は相対的に低いです。
一方、自営業・フリーランスは傷病手当金がなく、働けない期間は収入ゼロに。この層には就業不能保険(月5,000〜15,000円程度)の検討が重要です。
📋 保険見直し チェックリスト2026
現在加入中の保険を見直す際は、以下を順番に確認してください。
💡 FPやまぎしの結論
保険は「不安を解消する商品」ではありません。「万が一のリスクを数字で管理する道具」です。不安を理由に保険に入ることは、毎月確実にお金が出ていく行為です。
「保険料を減らして、その分NISAに回す」という発想の転換が、長期的な家計の安定につながります。
① 保険証券を全て引き出し、月額保険料の合計を計算する
② 貯蓄型・外貨建て保険の解約返戻金を保険会社に確認する
③ 死亡保障の必要額を書き出し、過不足を点検する
保険の見直しは一人で悩まず、ぜひFP相談をご活用ください。「本当に必要な保険だけに絞る」お手伝いをします。
FPやまぎし