「日経平均、3,643円安」
昨日の記事では「日経平均が1,100円下がった日、TOPIXは上がっていた」と書きました。見出しの数字に慌てないための話です。
ところが今日は、昨日とは種類の違う下げが、日本でも起きました。昨日は「指数だけが下がった日」、今日は「市場全体が下がった日」。同じ「下がった日」でも、昨日と今日では見方が変わります。その違いを、数字で見ていきます。

昨夜、アメリカで起きたこと
11月5日のアメリカ市場は、全面安でした。

| 指数 | 前日比 |
|---|---|
| ナスダック総合指数 | −5.5% |
| S&P500 | −4.4%(10月の高値から10%以上下げ、「調整局面」に入りました) |
| NYダウ | 1,800ドル超安(約3%)。前日11月4日の大幅高が帳消しに |
| フィラデルフィア半導体株指数(SOX) | 12%超安。2020年3月のコロナショック以来の下落率 |
個別では、エヌビディアが9.3%安、マイクロンとAMDは17%超安、テスラは10.8%安でした。
今日、日本でも起きたこと
その流れを引き継いだ今日の東京市場は、ほぼ全面安になりました。
| 項目 | 今日の動き |
|---|---|
| 日経平均株価 | 57,434.77円(−3,643.13円、−5.96%)。下げ幅は歴代3位。6万円割れは約半年ぶり。一時は4,332円安の56,745円まで下げ、5日続落 |
| TOPIX | 3,707.99(−232.40、−5.90%)。昨日は上がっていたTOPIXも、日経平均とそろって約6%安 |
| 東証プライム | 値上がり21銘柄に対し、値下がり1,523銘柄。東証33業種すべてが下落 |

日経平均へのマイナス寄与が大きかったのは、ソフトバンクグループ(約349円)、アドバンテスト(約317円)、ファーストリテイリング(約248円)、東京エレクトロン(約248円)の順でした。昨日、日経平均を押し下げたアドバンテストと東京エレクトロンは、今日も上位に並んでいます。
ちなみに昨日の記事は、noteマネーにピックアップされたうえで、まさにこの2銘柄の企業ページに掲載されました。
昨日との違いは「下がった銘柄の広がり」
2日間を並べると、違いがはっきりします。
| 日付 | 日経平均/TOPIX/値上がり銘柄 |
|---|---|
| 11月5日(木) | −1,110.73円(−1.79%)/+45.01(+1.16%)/午前は約82%が値上がり |
| 11月6日(金) | −3,643.13円(−5.96%)/−232.40(−5.90%)/約1%(21銘柄)のみ |
昨日は、下げの中心がアドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄に偏っていました。日経平均は値がさ株に引っ張られる指数なので、2銘柄の下げだけで1,000円以上押し下げられた。市場全体は崩れていなかったのです。
今日は違います。半導体だけでなく、33業種すべてが下がり、値下がり銘柄が1,500を超えました。「一部の銘柄のせい」では説明がつかない、本当に広い下げです。
見分けるポイントは、ここです。指数の下げ幅だけを見るのではなく、「何が、どれだけ広く下がったか」を見る。昨日は「指数のクセの日」、今日は「市場全体が下がった日」。同じマイナスでも、中身は別物です。
なぜ、見方が一夜で反転したのか
背景として報じられているのは、アメリカの中間選挙です。民主党の躍進を受けて、データセンターへの規制強化への警戒が強まったとされています。テキサス州では、データセンターの認可の一時停止を掲げた民主党候補が知事選で勝利しました。
興味深いのは、同じ材料の受け止め方が、一日で反転したことです。

・前日(11月4日)は「規制で過剰投資にブレーキがかかり、採算が改善する」と楽観され、ダウは3%上がりました
・一夜明けると「AIの成長ストーリー自体が減速する」との懸念に転じ、ナスダックは5.5%下がりました
材料そのものより、市場の「解釈」が変わった2日間です。規制の議論はこれからで、新議会が発足するのは1月です。企業の稼ぐ力が一夜で変わったわけではありません。だからこそ、1日の動きだけで方針を変えるのは危ういのです。
ファイナンシャルプランナーとして、今日伝えておきたい3つの見方

1. まず見るのは指数ではなく「自分の持ち株・投信の中身」
今日のような広い下げの日は、TOPIX型や全世界型のインデックスでも影響を受けます。昨日と違って「指数のクセ」では済みません。ただ、それでも確認すべきことは同じです。自分が持っているものが何に連動しているか。そこを見ずに、残高の増減だけで判断しないことです。
2. 「解釈が反転する相場」では、1日の動きで売らない
昨日の楽観と今日の悲観は、同じ選挙結果から生まれています。解釈が一夜でひっくり返る相場で、売買を繰り返せば、往復で損をするだけになりかねません。積立の継続と分散という基本は、こういう日のためにあります。
3. 次の材料は今夜です。結論を急がない
今夜11月6日22時30分(日本時間)には、アメリカの10月雇用統計が発表されます。市場予想は、非農業部門雇用者数+5.5万人、失業率4.2%。株急落を受けて、12月のアメリカの利上げ予想は83%から69%に低下しています。
雇用統計の結果が、もう一度市場の解釈を変えるかもしれません。今日の時点で結論を出す必要はありません。
おわりに
昨日は「見出しに慌てない」ための話でした。今日は、その続きです。慌てないことと、無関心でいることは違います。広く下がった日には、広く下がったと正しく受け止める。そのうえで、解釈が反転しやすい相場では、1日の数字で積立を止めたり、分散を崩したりしない。
「下がった日の見分け方」が身につけば、次に大きな見出しが来たときも、落ち着いて自分の資産を見ることができます。
そして、慌てずに資産を守れたその先に、やりたいことを安心してやれる毎日があります。皆さんが「幸せ」に近づくお手伝いを、これからもしていきます。
※一般的な情報です。数値は11月5日・6日の報道をもとにしており、特定の商品の購入や売却をすすめるものではありません。投資の判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。
