「長期金利2.6%」で私たちの生活はどう変わる?住宅ローン・預金・家計への影響をわかりやすく解説

今日、ニュースでこんな言葉を見かけた方も多いのではないでしょうか。

「新発10年国債利回りが一時2.6%に上昇」

金融ニュースでは大きく取り上げられていますが、

「結局、私たちの生活にどう関係あるの?」

と思った人も多いと思います。

実はこの“長期金利”、

  • 住宅ローン
  • 預金金利
  • 企業の借入
  • 株価
  • 老後資産

など、私たちの生活とかなり深く関わっています。

今回は、

  • そもそも長期金利とは?
  • なぜ今上がっているのか?
  • 住宅ローンへの影響は?
  • 固定金利は今後どうなる?

を、できるだけわかりやすく整理してみます。


そもそも「長期金利」って何?

まず、“長期金利”という言葉から。

ニュースでよく出てくるのは、

「新発10年国債利回り」

です。

これは簡単に言うと、

「日本政府がお金を借りる時の10年間の金利」

のようなものです。


国債って何?

国債は、

国が発行する借金

です。

日本政府は、

  • 社会保障
  • 公共事業
  • 防衛費
  • 教育費

などの財源として国債を発行しています。

そして投資家は、

「日本政府なら基本的に返済不能になりにくい」

と考えて購入します。


長期金利は「世の中の金利の基準」

ここが大事です。

10年国債の利回りは、

“日本の長いお金の基準”

として使われています。

イメージするとこんな感じです。


金利のイメージ図

金利主な影響
短期金利変動型住宅ローン、企業短期融資
長期金利(10年国債)固定住宅ローン、企業設備投資、保険、年金

つまり、

長期金利が上がる
→ 世の中の「長く借りるお金」の金利が上がりやすくなる

ということです。


なぜ今、長期金利が上がっているの?

今回、多くの人が気になっているのがここだと思います。

理由はいくつかあります。


① インフレ(物価上昇)

まず一番大きいのはこれです。

最近、

  • 食品
  • 光熱費
  • 外食
  • 人件費

など、あらゆるものが値上がりしています。

つまり、

「お金の価値」が少しずつ下がっている

状態です。


金利と物価の関係

投資家からすると、

「将来、お金の価値が下がるなら、低金利では貸したくない」

となります。

だから、

「もっと高い利回りをください」

という流れになり、長期金利が上がります。


② 日銀の金融政策修正観測

これも大きな要因です。

これまで日銀は、

超低金利政策を長く続けてきました。

しかし最近は、

  • マイナス金利解除
  • 国債買い入れ縮小
  • 金融正常化

への動きが強まっています。

つまり市場は、

「今後は金利を抑え込まなくなるかもしれない」

と見始めています。


③ 国債の需給悪化

最近は、

  • 財政赤字拡大
  • 国債発行増加

も意識されています。

国債が大量に発行されると、

「もっと高い金利じゃないと買わない」

という投資家が増えやすくなります。


長期金利が上がると住宅ローンはどうなる?

ここはかなり重要です。

結論から言うと、

「固定金利」に大きく影響します。


住宅ローンへの影響図

ローンタイプ影響
変動金利日銀の短期金利の影響が大きい
固定金利長期金利(10年国債)の影響が大きい

つまり、

長期金利上昇
→ 固定住宅ローン金利上昇

につながりやすいです。


なぜ固定金利が上がるの?

銀行からすると、

35年固定ローンは、

「長期間お金を貸す」

商品です。

そのため、

10年国債などの長期金利を基準に金利を決めています。

だから国債利回りが上がると、

住宅ローン固定金利も上がりやすくなるんです。


現在の住宅ローン固定金利状況

最近は実際に、

固定金利がかなり上昇しています。


固定金利のイメージ

時期フラット35金利イメージ
数年前1%前後
現在2%前後〜それ以上も

※金融機関・条件で異なります


住宅ローン返済額はどのくらい変わる?

例えば、

4,000万円を35年固定で借りた場合


金利1%

毎月返済:約11.3万円


金利2%

毎月返済:約13.2万円


差額は、

132,000113,000=19,000132,000 – 113,000 = 19,000132,000−113,000=19,000

月約2万円近く増えるケースもあります。

年間ではかなり大きいです。


では変動金利は安心?

ここは難しいところです。

現在、多くの住宅ローン利用者は変動型を選んでいます。

理由は単純で、

「固定よりかなり低いから」

です。

ただし、

今後日銀がさらに利上げを進めれば、

変動金利も徐々に上昇する可能性があります。


ただし「急激」には上がりにくい

変動型には、

  • 5年ルール
  • 125%ルール

などがあるため、

急激に返済額が跳ね上がるケースは限定的です。

とはいえ、

「低金利が永遠に続く前提」

では考えない方が安全です。


これから家を買う人はどう考えるべき?

最近よく聞かれる質問です。

答えは、

「金利だけ」で決めないこと

です。


大切なのは

  • 共働き継続可能か
  • 教育費とのバランス
  • 老後資金
  • 転職リスク
  • 繰上返済余力

まで含めた“総合設計”。


今後のポイント

個人的には、

「超低金利時代は少しずつ終わりつつある」

と感じています。

だからこそ、

  • 借りられる額
    ではなく
  • 返せる額

で住宅購入を考えることが、今まで以上に大切です。


金利上昇で良い面もある

ちなみに、

金利上昇は悪いことだけではありません。


預金金利は上がりやすくなる

最近は、

  • 定期預金
  • ネット銀行

などで少しずつ金利上昇も見られます。

つまり、

「お金を預けても増えない時代」

から少し変化し始めています。


保険・年金にも影響

長期金利上昇は、

  • 個人年金
  • 貯蓄型保険

などの利回り改善にもつながる可能性があります。


まとめ

今日のポイント

ポイント内容
長期金利とは日本の“長いお金”の基準
なぜ上昇?物価上昇・日銀政策修正・国債需給
影響は?固定住宅ローン金利上昇
変動金利は?今後徐々に上がる可能性
家計への影響住宅費・借入コスト増加
良い面預金金利改善も

最後に

これまで日本は、

「金利のない世界」

に近い状態でした。

でも今、

少しずつ景色が変わり始めています。

住宅ローンも、資産形成も、

「金利がある世界」

を前提に考える時代に入ってきたのかもしれません。

だからこそ今後は、

  • 家計管理
  • 借入額
  • 投資配分
  • 固定費

を“なんとなく”ではなく、数字で考えることがより重要になっていきそうです。

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者