11月6日、日経平均株価は3,643円安の57,434円で取引を終えました。下げ幅は歴代3番目、終値で6万円を割り込むのは約半年ぶりです。下げは5日連続になりました。
そして、6月25日につけた最高値72,366円からは、2割を超える下落です。ニュースでは「弱気相場入り」という言葉も出てきました。

ここ2日、私は「指数と実態の食い違い」について書いてきました。一昨日(11月5日)は、日経平均が1,100円下がったのにTOPIXは上がり、午前はプライム市場の8割の株が値上がりした日でした。昨日(11月6日)は一転して、値上がりはわずか21銘柄、33業種すべてが下がる全面安でした。
では、こういう相場で、私たちは何をすればいいのか。今日は「売る・買う」の話ではなく、長期で資産形成を続けている人が、いま確認しておきたい4つのことを書きます。
まず事実の整理
今回の下げの背景には、大きく2つあります。

1つ目:AI・半導体株の調整
中間選挙後のデータセンター規制への警戒に加えて、AIデータセンターを手がける米国の新興クラウド企業の負債が1年で8倍に膨らんだ、という信用面の懸念も報じられています。
2つ目:金利の見方
11月6日に発表された米国の10月雇用統計は、非農業部門の雇用者数が16.5万人増と、市場予想を大きく上回りました。雇用が強いため、12月のFOMC(米国の金融政策を決める会合)で利上げが意識されるようになっています。金利が上がるかもしれない局面では、株価は下がりやすくなります。
つまり今回の下げは、日本固有の悪い話というより、「AIへの見方」と「金利への見方」が同時に変わった下げです。もちろん、だから安心という話ではありません。ただ、理由が分かる下げと分からない下げでは、向き合い方が変わります。
確認したい4つのこと

1. 積立は、止める理由があるか
積立投資は、下がった局面で口数を多く買う仕組みです。相場が怖いから止める、は一番もったいない止め方です。

ただし、生活費が苦しくて止めるのは別問題です。投資のお金と生活のお金が混ざっているなら、相場ではなく家計を見直すのが先です。この2つを混同しないことが大切です。
2. 資産配分が、当初の計画からずれていないか
株が下がると、資産全体に占める株の割合は自然に下がります。逆に、今回の下げ幅が想像以上に辛く感じるなら、それは株の割合が自分の許容範囲を超えていたサインかもしれません。

感情で売るのではなく、「最初に決めた配分に戻す」という視点で見てみてください。配分を決めていなかった人は、この機会に紙に書いておくだけでも違います。
3. 生活防衛資金は確保できているか
相場の下落が怖くなくなる一番の条件は、生活費の備えがあることです。目安は生活費の半年分から1年分と言われます。
この備えがあれば、株価は「今日のニュース」であって、「今日の生活」には影響しません。備えが薄い人は、積立額を増やす前に、まずこちらを厚くする方が先です。
| 備えの状態 | 先にやること |
|---|---|
| 生活費の半年〜1年分がある | 積立を続ける。株価はニュースとして見られる |
| 備えが薄い | 積立額を増やす前に、まず備えを厚くする |
4. 特定の銘柄・テーマに偏っていないか
今回の下げを主導したのは、AI・半導体関連の銘柄でした。自分の資産の中で、特定のテーマや銘柄の割合が大きくなっていないかを確認してみてください。
勤務先や自分の業界も含めて考えると分かりやすいです。仕事も資産も同じ方向に偏っていると、下げ局面のダメージが大きくなります。

おわりに
週明けの焦点は、11月6日の安値56,745円を維持できるかどうかだと言われています。ただ、長期の資産形成にとって大事なのは、来週の相場ではなく、この4つの点検です。
2割の下げは、過去にも繰り返し起きてきました。そのたびに「もう終わりだ」という見出しが出て、それでも積立を続けた人の資産は育ってきました。
結論を急ぐ必要はありません。まず確認を。それが、こういう相場での一番の仕事だと思います。
慌てずに資産を守ることは、やりたいことを安心してやれる毎日につながります。皆さんが「幸せ」に近づくお手伝いを、これからもしていきます。
※一般的な情報です。数値は11月6日までの報道をもとにしており、特定の商品の購入や売却をすすめるものではありません。投資の判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。
