特殊詐欺の被害が過去最悪の水準になっています。2025年の全国の被害額は約1,423億円、認知件数は27,832件にのぼり、前年から大きく増加しました。
「自分は大丈夫」と思っていても、詐欺の手口は年々巧妙になっています。この記事では、警察庁が推奨する無料の詐欺対策アプリと、実家の固定電話でできる対策を分かりやすく紹介します。ご自身のスマホだけでなく、ぜひご家族にも共有してください。
2025年の特殊詐欺被害 ひと目でわかる数字
2025年の被害総額 1,423億円 | 認知件数 27,832件 | 詐欺に使われた番号のうち国際電話番号の割合 約75% |
※警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」等をもとに作成
被害額のうち約59.2%、認知件数の約51.3%は65歳以上の高齢者が占めており、依然として大きな割合を占めています。一方で、2025年は65歳未満の被害者も急増しており、年齢を問わず誰もが標的になり得る状況です。
「詐欺対策 by NTTタウンページ」とは
2026年3月、警察庁は「特殊詐欺対策アプリに係る警察庁推奨制度」を開始しました。第一弾に認定されたアプリの一つが、トビラシステムズとNTTタウンページが共同開発した「詐欺対策 by NTTタウンページ」です。
2026年3月5日の提供開始から約100日で、累計100万ダウンロードを突破するなど、急速に広がっています。
| 主な機能 | 内容 |
|---|---|
| 詐欺電話の自動遮断・警告 | 警察庁等が把握した「詐欺に使われた電話番号」からの着信・発信時に、自動遮断または警告を表示 |
| 国際電話番号への警告 | 特殊詐欺の起点になりやすい国際電話番号からの着信に注意を促す(Android) |
| 発信元企業名の表示 | iタウンページ約500万件の企業情報をもとに、知らない番号でも発信元の企業名を表示 |
| 防犯情報の通知 | 警察庁が公表する最新の詐欺手口・注意喚起をアプリ内で通知 |
なぜ「電話に出る前」の対策が最も効くのか
①電話がかかってくる | → | ②アプリが番号を照合 | → | ③危険番号は自動遮断・警告 |
プロの詐欺師は「説得のプロ」です。どれだけ知識があっても、実際に電話に出て会話をしてしまうと、巧妙な話術に引き込まれてしまう危険があります。
そもそも詐欺電話に「出ない」「取り次がない」仕組みを作っておくことが、最も確実で負担の少ない対策です。
自分のスマホだけでなく、ご家族のスマホにも
先ほどの統計の通り、依然として被害額の約6割は65歳以上の高齢者が占めています。特に離れて暮らす親御さんは、詐欺の標的になりやすい傾向があります。
ご自身のスマホに導入するだけでなく、実家の親御さんのスマホにもこのアプリを入れておくことを強くおすすめします。設定は数分で完了し、費用は無料です。
アプリストアで名前を検索すると、紛らわしい偽アプリを誤ってインストールしてしまうリスクがあります。必ず警察庁の公式ページのリンクからダウンロードしてください。
実家の固定電話の対策も忘れずに
スマホの対策だけでなく、実家の固定電話の対策も重要です。特殊詐欺に使われた電話番号のうち、約75%が国際電話番号(「+」から始まる番号)であるというデータがあります。
固定電話には発信者番号を照合するアプリのような仕組みがないため、そもそも「国際電話の着信自体を止めてしまう」ことが有効な対策になります。
KDDI・ソフトバンク・NTT東日本・NTT西日本・NTTドコモビジネスの5社が共同で提供する窓口です。申し込むことで、固定電話・ひかり電話への国際電話の利用を無料で休止できます。
申込方法はWeb・電話・郵送の3通り。特別な機器の購入は不要です。
今すぐやるべきことチェックリスト
| ☐ 警察庁公式ページから「詐欺対策 by NTTタウンページ」を自分のスマホにインストールする |
| ☐ 離れて暮らす親御さんのスマホにも同じアプリを入れる(電話やビデオ通話で操作をサポートする) |
| ☐ 実家に固定電話がある場合、国際電話不取扱受付センターへの申し込みを検討する |
| ☐ 「知らない番号には出ない・折り返さない」ことを家族間で改めて確認しておく |
まとめ
特殊詐欺の被害は過去最悪の水準にあり、手口はますます巧妙になっています。しかし、電話に出る前に危険な番号を遮断する仕組みを整えておけば、被害を未然に防げる可能性は大きく高まります。
アプリの導入も国際電話の利用休止も、費用はかからず、手続きも難しくありません。ご自身のスマホと、ご家族・実家の電話、両方の対策を今日のうちに済ませておきましょう。
資産を詐欺から守るための家計・保険の見直しについても、お気軽にFPやまぎしにご相談ください。
