育児休業給付金<休業中の収入減少をしっかりカバー>

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産休が終わると育児休業に入る方が多いかと思います。産休に入る前に育児休業についても知っておきたいのですが。

 FP
やまぎし

出産手当金とセットになるのが、育児休業給付金です。お子さんが1歳になるまでの育児休業取得時の収入源をカバーしてくれます。額面月収30万円の方でしたら、トータルで約180万円給付されます。金額が大きくなりますので、なんとなくではなく、しっかり理解しておいた方が良さそうですね。

育児休業給付金は収入減を8割カバー

産休の次は次は育児休業です。お子さんが1歳になるまで取得できる育児休業ですが、休業中の給料は通常は支払われません。
この収入減少を補填してくれるのがこの育児休業給付金。会社が手続きしてくれるのでなんとなくしか知らない方も、大きな金額になりますので概要は把握しておきましょう。
何もわからないまま給付金をもらうのは、ちょっとよろしくないですよね。

制度の概要

・補助される金額:手取りの8割程度
目安:額面月収30万円の方、お子さんが1歳になるまで取得:180万円
・いつもらえる:育休開始から3ヶ月後に2ヶ月分給付、その後は2ヶ月ごと
・いつまで:お子さんが満1歳になるまで
場合によって、お子さんが1歳6ヶ月になるまで
・もらえる方:雇用保険の被保険者で、育児休業取得した方
       契約社員・パートの方も対象
・申請先:勤務先(勤務先⇨ハローワーク)
・その他:給付金は税金がかかりません。育休中は社会保険料も免除。支給される金額は賃金の67%ですが、この税金・社会保険料を支払わないので実質手取り給料の8割になります

もらえる対象の方

もらえる方は少し条件があります。雇用保険に加入は絶対条件ですが、育児休業前の2年間のうち12ヶ月、各月の労働日数を11日超えている。または、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある方になります。

ちょっと条件的に微妙な方は、妊娠後に勤務先に事前に確認しておいてください。

ちなみに2回まで分割して取得することも可能です。

金額シミュレーション

育児休業給付金イメージ.jpg                         <参照:学研 こそだてまっぷ>

<条件>

① 産後8週間までは、出産手当金(日割り月収の2/3程度)が支給
8週後から6ヶ月まで<育児休業給付金で67%支給>
(上限301,299円、下限49,848円)
181日〜お子さんが1歳まで<育児休業給付金で50%支給>
(上限224,850円、下限37,200円)
④ 育休中に賃金が支払われる場合、育児休業給付金は、休業開始前賃金の13%を超えると減額され、80%を超えると支給されません。
⑤ 産休・育休中は健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。
⑥ 計算根拠の元となる休業開始時賃金日額は、産前産後休業開始前6ヶ月の額面賃金を180で割って算出。
注意: 含むもの  :残業代や交通費、住宅手当金等の諸手当 
    含まないもの:ボーナス
⑦ 延長制度後で説明

実例計算

ママ のみ育休
・休業開始前6ヶ月で180万円(月30万円)得ていた方
・育児休業前1日あたりの賃金:180➗180日=1万円
・育休開始から6ヶ月(180日)以内:1万円✖️30日✖️67%=20.1万円
 20.1✖️6ヶ月=120.6万円(A)
・育休開始から6ヶ月(180日)以降:1万円✖️50%✖️30日=15万円
 180日ー56日(8週間)=124日
 1万円✖️50%✖️124日=62万円(B)
(A)+(B)=182.6万円

共働きでママパパ共に育休を取得
・休業開始前6ヶ月で夫婦ともに180万円(月30万円)得ていた方
・ママ:産休+育休1年 パパ:育休1年
・ママ:育児給付金:①の計算にて182.6万円
・パパ
 6ヶ月(180日)以内:1万円✖️30日✖️67%=20.1万円
 20.1✖️6ヶ月=120.6万円(A)
 育休開始から6ヶ月(180日)以降:1万円✖️50%✖️30日=15万円
 15万円✖️6ヶ月=90万円(B)
 (A)+(B)=210.6万円
ママとパパの合計:393.2万円

もらえる期間延長について

通常はお子さんが満1歳になるまでしか受け取ることはできません。しかし、認可保育園に空きがなく、市町村から「入園の不承諾」通知を受けている場合には、お子さんが1歳6ヶ月まで延長可能です
延長しても入れない場合は、2歳まで再延長可能です。

両親ともに育児休業を取得すると特例制度があります。これは、パパ・ママ育休プラスという制度で、育児休業期間を2ヶ月延長させることができます。

<パパ・ママ育休プラス 案内シート>
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0146/0019/papamama.pdf

2025年4月 最大28日間 手取りの全額もらえる制度拡充

改正雇用保険法が施行に伴い、出生後休業支援給付金が創設されました。
雇用保険の被保険者とその配偶者、つまり夫婦で14日以上の育児休業を取得する場合、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額が給付されます。

育児休業給付と合わせて、給付率が80%となり手取りとほぼ同額になります。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001372778.pdf
                    <厚生労働省 HPより>

育児休業給付金 手続き・流れ

勤務先へ育休取得の旨を伝える
出産日程が分かったタイミングでどうするかを判断して、勤務先で早めに伝えることが無難です。
→初回の手続き期間は、育児休業を開始する日から4ヵ月が経過する日が属する月の末日までです。産休を取得している女性が育休を取得する場合は、出産日から起算して58日目を「育児休業を開始した日」とします。

② 勤務先が必要書類をそろえて、ハローワークに申請
審査がありますので、時間の猶予を持って早めに勤務先へ

③ 指定口座に給付
原則2ヶ月分をまとめて受け取る
・最初の2ヶ月分の給付は、育休開始から3ヶ月後(おおよそ出産から4ヶ月後)

④ 2回目以降の給付:勤務先が申請
・2ヶ月ごとに賃金額等わかる書類を添えて勤務先が申請

まとめ

育児休業給付金の手続きは勤務している会社が対応してくれます。そのため、会社もアナウンスしてくれるかと思いますのでママの手続きをし忘れることは少ないかと思います。

しかし、パパも取得する際には会社側に早めに伝えておくことが必要です。妊娠が分かった段階で、パパの育児休業をどうするかをパパの働く会社に相談しておくことが重要です。国もパパの育児参加を後押ししています。ぜひ、パパの育児休業が増えることも期待してます。

ちなみに、女性は出産した段階でオキシトシン(愛情ホルモン・別名幸せホルモン)が分泌されます。しかし、男性は子育てをしていかないとオキシトシンの分泌はありません。パパの幸せ向上のためにもパパの育休取得・育児への参加は必要かと思います。

https://www.kugayama-hp.org/osan/blog/20230102.html
               <久我山病院 ブログより>

この記事を書いた人

fp.yamagishi

金融機関に勤務しながら、副業でファイナンシャル・プランナーをしています。大学卒業後に金融機関に勤め、10年勤務した後、同業に転職。
25年以上の金融機関勤務経験を活かし、皆さんの資産運用・お金の問題を支援できましたらと考えています。

【資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・FP技能検定1級取得
・貸金業取扱主任者